"型"だけじゃダメなんだ。
生徒さんは大人になってから始めた方なので、
一曲を完成させるのに時間がかかります。
レッスン時間の大半が"覚える作業"なんですけど‥。
曲の流れを理解しやすくするにはコード進行の理解が欠かせません。
バーナムの「導入書」が終わったのを期に、
基礎練習を"カデンツ"に切り替えました。
ハ長調ならドミソ・ドファラ・シファソの3コードですね。
この3つの和音を覚えて、尚かつ並べ方を考えてみる。
これが大事なんです。
メロディの音に対して、合う和音はこれ…と
ピッタリフィットするコードを探し当てる作業をやっていかないと、
ピアノを弾く事が単なる「型を覚える作業」になりがち。
──楽譜に書いてある通りに丸暗記して弾くという行為は、
はたして演奏と言えるのだろうか?
僕は常々そう思っています。
段取りだけ覚えて、どこが音楽なんですかね~?
あのー、何かキツイ事言ってるけど、
丸暗記で必死こいて弾ける様になったものって、
他の曲への応用が利かないし、忘れやすいんです。
自分で弾いているフレーズを
ドレミで歌えるのって、ごく普通の事でしょ?
僕はそう思って生きて来たんだけど、
たくさんの生徒さんを教えていると、
結構歌えないまま弾いている人もいるんですよね。
右手のメロディはもちろん、
左手の伴奏も歌えなきゃいけない。
歌えなければ、理解なんて出来ませんよ!
僕の役目は「歌う事を知らない人々」を救い出す事かなと。
歌って覚えれば忘れにくいし、
もし忘れても思い出しやすいんです。
音の名前として左脳に刻み込む事で、
鍵盤のだいたいこの辺り…なんて
アバウトな覚え方からサヨナラできます。
●フレーズを音名でしっかり歌える様にして、
そのメロディに合ったコード進行を考える。
●最初のうちは3コードで。
3つで物足りなくなったら、
I・IV・V以外のいろいろな和音を混ぜてみる。
このようにして自分で考え・覚えたものが、
自分の型になるのであって、
はじめから楽譜という"型"にハマってはいけません。
ちなみにこういう考え方をするのは、ヤマハ出身者の特徴ですね。
ピアノ教室じゃなくて"音楽教室"だから。
幼少からクラシックの個人レッスンを受け、
真っ直ぐ音大まで進んだ後にピアノの先生をやっている人からは、
絶対に出てこない発想でしょう。
ピアノを弾く為にたくさんの時間を使って来た割には、
○楽譜がなかったら曲を覚えられない。
○アドリブが弾けない。
○作曲が出来ない。
…嗚呼、かわいそうに(笑)。
これじゃぁピアノを弾いてて全然楽しくないじゃん。
えー、僕のレッスンではピアノを使って「音楽」を教えています。
音楽を教わりたい方、ぜひ習ってみて下さいね…って宣伝かよ(笑)。
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