「ネコふんじゃった」も立派な教材。
題材に使う事が多いんですね。
ある意味"誰でも弾ける曲"という感じなんですけど、
使い方次第では効果的な教材となりうる曲だと思います。
"誰でも弾ける"という側面を逆手にとって、
小学生の生徒さんには「移調」する練習課題に。
これが意外と効果があるんですね。
メッチャ頭を使うし。
やり方はこうです。
もともと変ト長調のネコふんじゃったを、
ただの"ト長調"に変えて弾く事から始めます。
黒鍵で弾いていた音を白鍵に。
白鍵で弾いていた音を黒鍵に入れ替えるのみを教えるだけで、
結構弾けてしまうんです。
あの~、ト長と変トならば階名が同じだからね。
名前が同じだから弾きやすい‥というのもある。
「変ト→ト」をクリアしたら、今度は「変ト→ヘ」に挑戦です。
これもまぁ半音したって事で、ちょっと考えれば弾けますよ。
この二つのキ-変更をする時に、
"オリジナルキー・ネコふんじゃった"の2つの読み方を教えます。
まぁ、ついでなんで。
「ネコふんじゃった」のキーは通常ならばGb=変ト長調。
普通ならミレソ・ソ・ソです。
この読み方はト長調が半音下がった‥という解釈。
ならば、ヘ長調が半音上がったとしたらどうですか?
へ長が半音上がれば、嬰ヘ長調。
読み方はレド・ファ・ファ・ファ。
普段"嬰ヘ長"という名を使わないからといって、
読めないのは損。
頭を柔軟にして、どちらの読みにも対応出来るようにするべき。
さて、半音上げ・半音下げが出来たら、
ト長・ヘ長以外の白鍵の長調に挑戦です。
2つは既に終えているので、残りはハ・ニ・ホ・イ・ロの5つ。
ハ調以外は#系のキーです。
ピアノの人は、bよりも#のキーを苦手としている場合が多いので、
このトレーニングは役に立ちますよ!
ここまでは、ある程度キャリアを積んだ生徒さん向けの内容。
5~6歳の生徒さんに「ネコふんじゃった」を教える目的は、ただ一つ。
「自信をつけさせる為」です。もうこれだけ。
幼稚園で年長さんになる頃には、「ネコ─」を弾ける子が出てきます。
生徒さんと話をすると、「○○ちゃんが弾けるんだよー」と言ってきたりします。
誰々が弾けるんだよ…なんて言う時は、
たいてい言ってる本人が弾きたいんです。人間とはそういうもの。
今日のレッスンでも、三つ子ちゃんの一人からこんな話が。
「同じクラスで二人弾ける人がいるんだよ」
だったら三人目になってみたら?
…という訳で、早速レッスン開始。
まずは出だしのミレ・ソ・ソ・ソ(全部フラット)から。
右手でVサインを作って、この指を使うことを認識させます。
それから左手の位置を教えて弾き始めたら、
何故か左手のフレーズも右手で弾いています。
なんかやってみたくなったようで‥。
やっぱりウチの弟子は面白いな~。
確かに片手でも弾けるんですけど。
しかも両手で弾くよりも断然難しい。
それを軽くやってのける所が凄いね。まだ幼稚園児なのに(笑)。
もちろんフレーズが頭に入ったら、両手で弾いてました。
今日の段階では、無理せずに出だしの4小節に集中。
大人の場合、一つ出来ると次、次と先を急いでしまうけど、
子どもの場合はちょっと違います。
一つのフレーズを弾けた事に喜びを感じ、
何度も何度も繰り替えすことをいとわないんですね。
これが大人よりも子どもの方が伸びる理由です。
くり返しを嫌がらないことが一番大事。
でもね、僕が思うに根気とはまた違うと思うんですよ。
出来るようになった事をくり返すのが楽しいだけ。
楽しくなきゃやらないでしょ。
いみじくも、「ネコ─」の4小節をマスターした生徒さんが言ってましたよ。
『毎日弾いてるよ』ってね。
これが答えだ!
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